わずか10勝でなぜデグロムはサイヤング賞を受賞したのか?

デグロム

2018年のサイヤング賞が発表されて、ア・リーグはレイズのブレイク・スネル、
ナ・リーグはメッツのジェイコブ・デグロムが受賞しました。

しかし、今年受賞したこの2人のうち、ジェイコブ・デグロムが10勝と
サイヤング賞に選ばれるにはちょっと数字が低すぎると話題になっています。

数字だけ見れば2位で落選したナショナルズのマックス・シャーザーが
選ばれるべきだったという声もあるなか本来なら選ばれなかったであろう
ジェイコブ・デグロムがなぜ受賞することになったんでしょうか。

ここでは、その受賞理由と共にジェイコブ・デグロムのスゴさもまとめてみました。

調べてみると、10勝という数字以上にピッチャーとして
飛び抜けた数字を残していたようなんです。

そもそもサイヤング賞とはどんな賞なのか?

メジャーリーグでサイヤング賞の表彰が最初に行われたのが1956年。

かつて1890~1911年にメジャーリーグでピッチャーとして活躍した選手がいました。

デントン・トゥルー・ヤングというピッチャーです。

デントン・トゥルー・ヤングは、通算511勝という
とてつもない数字を残したメジャーリーグ史に名を残す大投手。

このデントン・トゥルー・ヤングが1955年に亡くなり、
翌年1956年に彼の功績を称えて設けられたのがサイヤング賞だったです。

なぜ、ヤング賞ではなくサイヤング賞という名称なのかと言うと、
生前周りからは“サイ”というニックネームで呼ばれていたようで、
それを取ってサイヤング賞という名称になったとか。

サイヤング賞は、アメリカンリーグ(ア・リーグ)とナショナルリーグ(ナ・リーグ)
の各リーグでその年最も優秀な成績を残した投手に与えられます。

選考基準は、日本の沢村賞とは違って決まった選考基準はないようです。

選考方法については、全米野球記者協会の記者30人の投票で決定し、
1位には5ポイント、2位には3ポイント、3位には1ポイントが与えられます。

この合計ポイントによってサイヤング賞が決定するというわけです。

スネルとデグロムの今シーズンの成績

それでは、ア・リーグの受賞者ブレイク・スネルと
ナ・リーグ受賞者ジェイコブ・デグロムの今シーズンの成績を見てみましょう。

まずはブレイク・スネルですが、今シーズン31試合に登板し、
21勝(5敗)で防御率1.89、奪三振も211奪っていて
投球イニングも180.2と受賞には文句なしの数字だと言えますね。

問題はナ・リーグ受賞者ジェイコブ・デグロムの方です。

彼の今シーズンの成績は、32試合に登板し、10勝(9敗)と普通の数字ですが、
投球イニング217、奪三振269、そして、何より防御率が1.70とズバ抜けています。

おそらく、問題となっているのは10勝という勝利数の少なさでしょう。

サイヤング賞は基本的に勝利数、防御率、奪三振を重視して評価されるので、
10勝という数字は正直言って寂しい感じがしますよね。

ちなみに、投票結果2位となったナショナルズのマックス・シャーザー投手は、
勝利数18、防御率2.53、奪三振300という素晴らしい数字を残しており、
本来ならこちらが選ばれていてもおかしくないと誰もが思うはず。

それでも、10勝のジェイコブ・デグロムが選ばれたのには、
もう少し彼の投手として貢献度が他の数字に現れていたからなんです。

驚異的な防御率ながらも白星が10勝止まりの理由とは?

ジェイコブ・デグロムのスゴさは1.70防御率を見てもらえばわかります。

実は、この1.70という数字は、過去100年でたった11人しか達成していません。

メジャーリーグでは大体防御率は大体3点台前半でもいい方だと言われていて、
それを考えれ、1.70という防御率は末恐ろしい数字だと言えます。

でも、ここで一つ疑問に思うことがあります。

それは、防御率が1.70と1試合平均で2点取られてないにもかかわらず、
なぜ白星が10勝止まりになっているかということです。

これには誰もが納得できる理由がありました。

実は、ジェイコブ・デグロムが所属しているメッツは、
今シーズン77勝85敗と成績が振るわなかったようなんです。

つまり、今シーズンのメッツは打線の援護があまり期待できなかったため、
いくらジェイコブ・デグロムが失点を少なめに抑えても勝てなかったというわけです。

その証拠に、今シーズン32試合中13試合で7回1失点以内の投球を見せるも、
白星がついたのは13試合中半分以下の5試合だけという不運がありました。

最も評価すべきはメジャー新記録のクオリティースタート

そして、個人的に最も評価しているのがクオリティースタートです。

クオリティースタートってなんぞいという方のために説明しておくと、
先発ピッチャーが6回以上投げて3自責点以内に抑えることです。
近年のメジャーリーグは先発ピッチャーの疲労や登板間隔などを考慮してか、
先発、中継ぎ、抑えの分業制が主流になっており、
長いイニングを少ない失点でおさえるクオリティースタートは高く評価されます。

クオリティースタートは、先発ピッチャーとして試合を作って
しっかり後ろにバトンを渡したということなんでしょう。

日本では9回まで完投することが先発ピッチャーとしての評価になってますが、
メジャーリーグでは球数が少なかったり、ノーヒットノーランなどの
大記録がかかっている時以外は、基本的に途中で交代することが多いです。

ジェイコブ・デグロムは、今シーズンこのクオリティースタートを
24試合連続でマークするメジャー新記録の数字をマーク。

しかも、全登板の32試合中28試合もクオリティースタートをマークしているんです。

いかにジェイコブ・デグロムが今シーズンスゴイ投球をしていたかがわかりますね。

このように投手としてのチームへの驚異的な貢献度を見れば、
わずか10勝でもサイヤング賞を受賞した理由がわかっていただけたと思います。

彼の10勝には歴代のサイヤング賞受賞者に負けないだけの価値があるということです。

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